引越しお役立ち情報

訳あり引越し

椅子だけが差し向かいで置かれた無人の空室

みなさんは訳あり引越しって耳にしたことがありますか?

『夜逃げ』なら聞いたことありますよね?
何らかの理由で人目を忍んで引越しすることです。

かつては借金取りから逃げようと深夜、寝静まった頃を見計らってこっそりと部屋を引き払う『夜逃げ』が主流でした。テレビドラマ化、映画化もされましたね。
そのため後ろめたいイメージが強くあります。

ところが最近は様相が変わってきているようです。

借金苦による夜逃げが減ってきました。
法律による規制が厳しくなったのが理由のひとつですが、とても逃げ切れるものではないというのがあるのでしょう。
法による救済制度を利用することが定着したこともあるかもしれません。

一方、最近では訳あり引越しをする人の中に女性が目立ってきました。
配偶者やパートナーから離れるというパターンが増えているようです。
理由も従前の借金からDVやストーカー、モラハラといったものにシフトしつつあるようです。

方法としては日中パートナーが仕事などで家を空けている隙に身の回りの物を持って出ていくものです。このことから『昼逃げ』と呼ばれたりします。

というわけで、今回は『訳あり引越し』、とりわけ『昼逃げ』についてお話ししたいと思います。

目次

DV・ストーカー被害の現状

男性の握りこぶしと怯える女性

2021年の1年間に全国の警察が受理した配偶者などパートナーからの暴力(いわゆるDV)の相談件数は83,042件だったそうです。
これは前年比0.5%増で、18年連続で最多を更新したことになります。
新型コロナウィルスの感染拡大により在宅時間の長期化、外出自粛でのストレスなどで、今後新たなDVの種が蒔かれることも懸念されています。

一方、ストーカーの被害件数は2018年から減少を始め、2021年には19,728件。
これは2016年のストーカー規制法の改正により規制が厳しくなった結果だと思われます。

モラハラの現状

モラハラされる女性

身体的に暴力をふるうDVに加え、精神的に暴力を与える精神的DV、『モラハラ』も急増しています。
パートナーの資質を否定し、人格を罵倒するものです。

モラハラの特徴は身体的な兆候がないため、周囲はもとより当人同士も認識しにくい点です。
このため加害者側は罪の意識がなく、被害者側も自覚がないままその状況が常態化していきます。
また、まだまだ情報が少ないため他者との比較ができず、「どこもこのようなものだ」「今は我慢すればいい」「自分が悪い」と考え、耐え抜くことも多いようです。
これからも増え続ける可能性が大きいわけです。

モラハラの行動

人差し指をさして威嚇する中年男性

・暴言を吐き、他者の人格を否定する
・強要、恫喝など高圧的な言動で相手を威嚇する
・必要以上に相手を束縛する
・無視をする(ネグレクト)

上記がモラハラの一部です。自身を絶対的な存在と考えている傾向があります。
モラハラは男性が女性に対し行うことが一般的ですが、立場が逆になることも少なからずあります。つまり女性・男性どちらもが加害者となり、また被害者にもなりうるのです。

モラハラの被害者は次第に心身に不調を訴えるようになります。
やがてこの不調はうつ病、適応障害、睡眠障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった症状に現れます。

このような状況から抜け出し、心身を正常な状態に戻すための手段が冒頭の訳あり引越し、『昼逃げ』です。

こうして現在のストレスに満ちた世の中で昼逃げが増えてきているのです。

ところで増加しているとはいえ、昼逃げはそれほど簡単にできるのでしょうか?
これより昼逃げを実行するための準備について説明いたします。

まず最初に引越し業者です。
業者に頼まなくても自分たちでできる。そうお考えの方、その考えは危険です。
昼逃げはタイミングとスピードが勝負です。それには業者のスキルが不可欠です。

では引越し業者ならどこでもいいのでしょうか?
この点について考えてみましょう。

引越し業者の選び方

荷物を積み込むメガネをかけた配達員

まず最初に、大手の引越し業者は避けた方がいいでしょう。
テレビCMなどでよく見かける業者はなおさらです。
理由はズバリ、『知名度がある』からです。

引越しの際のトラックを見れば社名が入っています。
作業員の制服は見覚えがあります。

つまり「引越しをしている」ことが一目瞭然なのです。

引越しをしているところをご近所に見られています。
「誰が引っ越すのか」「どこへ引っ越すのか」
興味本位でご近所の人は作業員に聞いてきます。
ここからパートナーの耳に入ることは容易に想像できます。たとえその従業員が口外しなくても。

その点、中小規模の業者は無地のトラックで引越しを行ったりもできます。
制服も目立たないものを着て、引越しで使うダンボールですら無地のものであったりします。
要は宅配便のように荷を積み、当人は日中買い物に出るふりをして引っ越す。ここがポイントです。周囲を欺くのではありません。普通にかつ、目立たないように事を進めるだけなのです。

ごみの処分は慎重に

断捨離した服を捨てる

もう一点。不用品回収も同時にできる引越し業者を選ぶとより良いと思います。
通常の家庭ごみならさほど問題はないでしょうが、粗大ごみなどはあらかじめ出しておくとパートナーに不審がられる恐れがあります。
直前だとご近所に目立ちます。
不用品回収もできる引越し業者だと引越し(=昼逃げ)当日に一緒に積み込んで処分してもらえます。
しかも行き先などの情報を処分でき、痕跡を消すことができます。
不退転の決意での昼逃げです。失敗は許されません。不安の芽はできる限り摘み取っておきましょう。

時間に融通が利くか

時間を気にする女性

パートナーの不在時にこっそりと引っ越すわけです。通常は日中、仕事に出ている間を狙いますが、場合によっては夜中であったり、休日であったり特定の曜日・時間帯であったり・・・
時には急に時間ができたということもあるかもしれません。

このようなイレギュラーな状態でも対応できる業者がいいですね。

もちろん秘密厳守は言うまでもありません。

引越し業者を選ぶ際、何を重視すべきでしょうか?
料金や知名度、その他いろいろありますが、今回は事情が事情です。
『どうしたら確実に短時間で無事に引越しを完了できるか』
今はこれに尽きるでしょう。

では、続いて昼逃げ決行までの流れを見ていきましょう。

昼逃げ「決行」までの流れ

荷物の梱包

引越し作業が大変な女性

思い詰まって発作的に昼逃げをするという方は別ですが、業者が決まったらパートナーに気づかれない程度に断捨離を始めましょう。
昼逃げをする当日は、とにかく荷物は少なければ少ないほど短時間で作業を終わらせることができます。
短時間で作業を終わらせた方が、「もしパートナーが帰ってきて見つかったら!」という恐怖心から早く解放されます。
できればダンボール箱で10箱ぐらいに抑えられるよう、吟味しましょう。

持っていくものリストを活用

チェックシートとシャーペン 背景白木目

まずは持っていくものと置いていくものをはっきり分けておきます。
それには準備段階で持っていくものをリスト化すると良いでしょう。
あなたの私物はもちろん、身の回りの必需品、思い出の品(お子様の成長記録など)ですね。
あなた名義の通帳や貴金属、スマートフォン、パソコン、手紙類ほかあなたの個人情報が窺えるものは特に注意してください。
そして持っていくものの中で、すぐには使わないものから梱包していきます。
梱包が終わったところから忘れずチェックをしておきましょう。
当然ですが保管場所にも注意しましょう。

荷物の保管

ダンボール箱積重ね

夏服・冬服など季節ものの服などは早めにまとめて別の場所に保管しておいた方がいいでしょう。
できることなら実家などがいいですね。
合間を見て少しずつ運んでおきましょう。
なお、引越し業者によっては荷物を一時的に預かってくれるところもあります。季節ものの洋服や食器など、すぐには使わないものがまとまったら預かってもらうのも一案ですね。

諸手続き

転出届

ほかにも諸手続きでやらなくてはならないことがあります。
たとえば住民票。これについてはメリットとデメリットの両方が考えられます。お住いの役所に相談するなどしてよく検討した方がいいでしょう。
それから既婚の方で携帯電話が家族割になっている場合、早いうちに契約を分けましょう。大事な連絡ツールです。ある日突然使えなくなったら目も当てられません。
もうひとつ、大事なのが郵便物の転送です。郵便物は住民票の異動なしにしかも個人単位での転送が可能ですので、済ませておく必要があります。ただし、役所や金融機関から送られる「転送不要」の郵便物は住民票の変更も必要となります。

昼逃げ決行

テーブルに置かれた置き手紙と指輪

準備が終わりましたらいよいよ昼逃げ決行です。
パートナーなどが不在となる日時が判明したら引越し業者との最終の打ち合わせです。
当日はパートナーが外出したタイミングを見計らって最後の梱包、そして搬出です。今までの苦労と地道な努力が報われるときです。最後まで気を抜かず慎重に進めましょう。

最後にもう一度、忘れ物がないか確認してください。置手紙も残しておくと良いでしょう。

もう二度と戻ることはないであろう家だから・・・


ここまでお読みくださった方は少なからずDV・モラハラ等のお悩みを抱えていることでしょう。
実際、ここまで書いてきたもの以上に越えなければならない壁がたくさんあります。

最後に、絶対にひとりで抱え込まないでください。
現在は公的に相談窓口が開設されています。

内閣府 男女共同参画局(別ウィンドウで開きます)
DV相談+(プラス) 電話 : 0120-279-889
厚生労働省 ハラスメント悩み相談室(別ウィンドウで開きます)

民間の団体でも相談窓口が開設されています。

もうひと頑張りしてみませんか?
この苦しみを乗り越えたらきっと、平穏な日々が訪れるはずです。

この「昼逃げ」が成功しますように。
そしてこれから先のあなたの人生が幸せになりますように。
お祈りします。



以上、いろいろと書いてきましたが、いかがでしょうか。



弊社、引越しと不用品回収の「きりり」は全力でお客様の引越しのお手伝いをいたします。
あらかじめお客様のご自宅や事務所等にお伺いし、荷量や状況を把握しつつご料金の算出を行っております。
こうすることでお客様のお引越しを滞りなく完了させることができるのです。
お見積りの際にはお客様にとって最適なプランのご提案やご質問・ご相談も承っています。
もちろん完全秘密厳守です。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

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